《MUMEI》 ──鍵を開けて、中に入る。 ──懐かしい部屋。 「‥?」 ──女物の、サンダル。 これって‥‥‥。 もしかして──そう思いながら台所の方を覗いたら。 「──香坂さん‥」 そこには‥香坂さんがいた。 「お帰りなさい、2人共──丁度良かったわ──今出来上がった所よ」 「どうして──ここに‥」 「──ごめんなさい、大家さんに頼んで入れて貰ったの──2人にスタミナ付けて欲しくて」 「───────」 「ぁ、俺手伝います」 「いいのよ、あなた達は食べる準備して座ってて──」 香坂さんは、慣れた手付きでパスタを器に盛り付けると、私達の前に置いてくれた。 前へ |次へ |
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