《MUMEI》

「おーっ、美味そっすね──」





こーちゃんが、目をキラキラさせる。





そんなこーちゃんを見て、香坂さんがニッコリした。





「トマトの冷製パスタよ──スタミナ付けるにはちょっとボリューム足りないかも知れないかも知れないけど──」





香坂さんが言い終わる前に、





「いっただきまっす☆」





こーちゃんはもう食べ始めていた。





「んっ! これ美味いっすよ香坂さん☆」

「ふふ、良かった──。ね、蜜花ちゃんも食べてみない?」

「ぁ‥‥‥はい‥」





何だかぼんやりしたまま、私はフォークを取った。

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