《MUMEI》
再確認
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それからの蒲生くんは、意外にしつこかった。





事あるごとにわたしに纏わり付いて、例の『ホテルでの一夜』について、弁明をする。


「だから、なにもなかったんだって!」


わたしの席の前で腕を組み、仁王立ちしている蒲生くんを見上げた。


「そんなの、わかってるよ」


わたしは頬杖をつきながら、テキトーに答える。その態度が気に入らないのか、蒲生くんはさらに詰め寄った。


「嘘だ。信じてないんだろ?」


「ハイハイ、信じてマス」


「なんだよ、その投げやりな言い方〜!」


「蒲生くんがしつこいからでしょー?」


「なんだってェ!?」


ギャアギャアと同じ内容を言い合う始末。



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