《MUMEI》 . バッチリしたメイクに、明るい茶髪のロングヘアー。制服のスカートは有り得ないくらい短くて、首元や手首にはアクセサリーが、耳たぶには幾つものピアスが、ジャラジャラついている。 見ただけで、怖そうなグループのひとたちだ……。 ヘタなことを言ったら、殺されかねない。 そう判断したわたしは、なるべく彼女たちを刺激しないように、「……ただの、クラスメート」と慎重に答えるのが、精一杯だった。 「お疲れ〜」 教室に戻ると、レミがわたしの席に腰掛けて、のんびりと声をかけていた。 「無事でなにより」 軽く笑いながら、レミは言う。 その呑気な顔を見て、緊張が解けたのか、わたしはどっと疲れてしまった。 . 前へ |次へ |
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