《MUMEI》 . がっくりと肩を落としながら、「オンナって怖い……」と呻くと、レミは大笑いしながら、「自分だってオンナじゃん!」と返してきた。 わたしたちはそれぞれのかばんを持って、教室を出る。 昇降口に向かう途中、突然レミが思い出したように言った。 「最近、美並、マジで蒲生クンと仲良いよね。打ち上げのとき以来」 鋭いところを突っ込んでくる。 わたしはなにも答えなかった。レミは悪戯っコのような目をして、わたしの顔を覗き込む。 「蒲生クンが、『ひとりのオンナに夢中になってる』って、女子の間じゃすんごい噂になってるんだよ〜」 わたしは瞬いた。 …………『ひとりのオンナ』、ね。 でも残念ながら、 蒲生くんは、わたしのこと『オンナ』だと思ってないんだけどな………。 そんなことを考えていると、だんだん気持ちが沈んできた。 「美並にとっては、すんごいチャンスでしょ?」 なにも知らないレミは、「ガンバレよ!!」とお気楽に励ましてくれた。 . 前へ |次へ |
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