《MUMEI》

こーちゃんは‥無意識って言っていたけど‥。





『っ‥?』





あの時の感覚──こーちゃんが私を引っ張ってくれた時のに似ていた。





小さい頃、私が遅れないようにって──君が私の手を握って引っ張って歩いてくれた時の感覚。





「──?」





こーちゃんが、壁に飾ってある写真を見つめている。





それは、あの虹の写真。





「‥こーちゃん?」

「───────」





じぃっと、見つめている。





ただ、その写真を。

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