《MUMEI》

洵だってば‥。


あたしは洵が見てるから、釘付けになっちゃってる訳だし‥。


──ちゃんと分かってる?


分かってないよね──‥。


「意外と目ぇデカいのなぁ」


「目っ‥?」


「近くで見ると結構可愛いじゃん」


「遠くで見ると‥?」


「うーん‥」


洵、ほんとに今度は離れてあたしを見る。


「同じかなぁ、あんま変わんねぇかも」


真顔で言われて、ドキッ。


「でもやっぱ近くで見た方が──」


「わああっ」


だから近いってば!!


‥‥‥ん‥?


今度はどこ見てるんデスか‥?


「んで──もうちょっとありゃなぁ」


「むっ‥」


どうせペッタンコだもん。

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