《MUMEI》

「ひ〜な〜たぁっ」

「ハイッ‥!!」

「何ですぐそうやってボーッとばっかりするのよ〜。ていうかもうお昼なっちゃうじゃない」

「ぅあっ‥悪い‥!!」





考え事に‥耽り過ぎていたみたいだ‥。





そうだ‥後でアイス買いに行くのを頼まれていたんだった。





「──あれ‥那加‥その本どうしたんだ‥?」






まさか買って来た訳じゃないよな?





「ちょっと前に佳代子さんに貸してもらったの」

「そうだったのか‥?」





知らなかったな‥。





「ん‥‥‥、?」





那加が読んでいたのは、小説じゃなかった。





看護師の仕事に関する本だった。

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