《MUMEI》

「ぇ‥‥‥?」





一瞬、何が起きたのか分からなかった。





目の前がチカッと光って、こーちゃんが笑っていて。





それが、写真を撮られたんだって気付くまでに──ちょっと時間がかかってしまった。





「───────」





──だいぶ遠くまで来たような気がし始めた頃。





「おっ──」





こーちゃんが、声を上げた。





「あっち何か咲いてんなぁ──」

「ぇ‥」

「っし、行こーぜっ?」





──無邪気な笑顔。





私はつい、見とれてしまっていた。





「おーい‥?」

「ぁ‥‥‥うんっ、行こっか、じゃあ──」

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