《MUMEI》 . 冷静で居られるワケがない。 思い出すと、心臓が破裂しそうだった。彼と触れ合っていた部分が、まだ熱い気がする。 わたしの質問に、蒲生くんは疲れ切った表情で、「え?」と聞き返してきた。 「なに?ゴメン、聞いてなかった」 …………オイッ!! 気ィ抜きすぎだろッ!! わたしはため息をついて、もう一度繰り返した。 「女の子たちに言ってたじゃん。わたしのこと『探した』とか、『連れだ』とか。一体、なんなのよ?」 あんな誤解を招くようなことを、なぜ口にしたのか理解出来なかった。 . 前へ |次へ |
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