《MUMEI》

.


わたしは、固まる。


それってつまり…………。





……………わたしのこと、



『オンナ』として、見られないっつーことかよッ!!





悔しくなって、蒲生くんの襟首を掴んで引き寄せると、大声で言った。


「ちょっとは緊張しろッ!バカッ!!」


蒲生くんはビックリしたような顔をして、「なに??」と困惑した声をあげた。


「なに怒ってんの?」


その声に、わたしはハッとして襟首を離す。

しかし、なんとなくイライラがおさまらないわたしは、自分のかばんを持ち、椅子から立ち上がった。

そして、キョトンとしている彼を睨みつけながら、「鈍感!!」と言い捨てて、走って店から逃げ出した。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫