《MUMEI》 . わたしは、固まる。 それってつまり…………。 ……………わたしのこと、 『オンナ』として、見られないっつーことかよッ!! 悔しくなって、蒲生くんの襟首を掴んで引き寄せると、大声で言った。 「ちょっとは緊張しろッ!バカッ!!」 蒲生くんはビックリしたような顔をして、「なに??」と困惑した声をあげた。 「なに怒ってんの?」 その声に、わたしはハッとして襟首を離す。 しかし、なんとなくイライラがおさまらないわたしは、自分のかばんを持ち、椅子から立ち上がった。 そして、キョトンとしている彼を睨みつけながら、「鈍感!!」と言い捨てて、走って店から逃げ出した。 . 前へ |次へ |
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