《MUMEI》

写真を撮りながら少年みたいに燥ぐこーちゃんを追いかけて、私は向日葵畑を走っていた。





私の身長位もある向日葵が、畑一面に咲いていて──まるで迷路みたい。





こーちゃんは背が高いから、どこにいるのか分からなくなる事はないけど──‥。





「──っ‥」





なかなか、追いつけない。





後ろ姿が‥どんどん遠くなっていく。





──待って‥。





そんなに遠くに行かないで‥。





「こーちゃ‥‥‥」





こーちゃん‥待ってよ‥‥‥。

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