《MUMEI》 「いやっ、何でもない‥」 何でもないけど、久し振りなもんだから、ちょっと‥。 「ねぇ、溶けちゃうってばぁ」 「ハイッ、スイマセン‥」 ‥暑い。 いや、熱い‥? 「日向ぁ?」 「ぇ、‥ぁぁ」 那加にも食べさせてやらないとな。 ──5分後。 アイスを完食した那加は、まだ足りないのかジュースを頼んできた。 自販機から戻ると、那加はベッドに座ってまたあの本を読んでいた。 あんまり熱心に読んでいるから、俺が戻って来た事に気付いていないらしい。 「──那加」 「きゃッ」 前へ |次へ |
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