《MUMEI》

『おとーさん‥? おかーさん‥?』






車に乗っていた。





どこかへ‥連れて行かれようとしていた。





『みつか‥どこいくの‥?』

『叔母さんの家よ──お母さん達お仕事で家にいられないから──少しそこでお世話になって欲しいの』

『すぐかえれる‥?』

『───────』

『おかーさん‥?』





その時はまだ‥分からなかった。





自分が‥‥‥叔母さんの養子にされるんだって事に‥。





『ねぇ──みつかいつかえれるの‥?』





叔母さんに訊いても‥何も答えてくれなかった。





でも‥気付いてしまった。






私は‥いらない子だったんだって‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫