《MUMEI》

『──ぁ‥蜜花ちゃんっ』

『っ‥』

『探したよ? どうしてこんな所に──』

『‥‥‥‥‥‥‥』





‥あの家にいるのが辛かった。





叔母さんは、優しくしてくれた。





でも‥それが辛かったんだ。





優しくしてくれるのか‥辛かった。





本当の子どもでもないのに、優しくされるのが‥嫌だった。






だから‥しょっちゅう家出ばかりしていた。





でも‥その度に見つかって‥連れ戻されて‥。





‥どうしたらいいのか分からなかった。





とにかく‥私はここにいたら駄目なんだって‥そればかり思っていた。

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