《MUMEI》

7時を回った頃、こーちゃんがパンケーキを焼いてくれた。





「ほいっ、と──ハチミツとメープルどっちがいー?」

「ぇ」

「好きな方選びな♪」

「じゃあ‥ハチミツ──」





答えるとすぐに、こーちゃんはハチミツをかけた方のパンケーキのお皿を、私の前に置いてくれた。





「おっ、そーだっ」





椅子に座りかけたこーちゃんが、冷蔵庫に向かう。





冷凍庫側の扉を開けると、カップのアイスを取り出して戻って来た。





──私の好きなバニラ。





大きめのスプーンで掬って、私と自分の分のパンケーキの上に乗せた。





「ちょ〜っと豪華な感じじゃねっ?」

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