《MUMEI》
不審者発見
文化祭は、いよいよ後夜祭を残すのみとなった。


吾妻高校の後夜祭去年までは校庭で行われていたが、今年は猛暑の為、体育館で行われる事になった。


ただし


リボンイベント時には、移動は自由になる。


だから、俺と志貴は誰もいそうもない中庭で待ち合わせをする事にした。


しかし、当然二人で移動すると目立つので


俺は、演劇部の部室に寄って時間をずらして行く事にした。


(ついでに返しておくか)


部室に行く前に、俺は三匹の狼の衣装を取りに、教室に戻った。


俺達の教室は、体育館から離れていたから、同級生達は、全員荷物を持って帰り支度をして後夜祭に参加していた。


だから、教室には誰もいないはずなのに…


「…誰だ?」


俺の席の近くに


長身の金髪がいた。


「そこで、何してる?」


俺が話しかけても、金髪は反応しなかった。


「おい!」


俺は、金髪に近付いていった。


そこで、ようやく


ゆっくりと、金髪は振り返った。


「お前…」


そこにいたのは、犬耳を強引に持ち帰ったヤンキーだった。


金髪ヤンキーは、何故か俺を睨んでいた。

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