《MUMEI》
アルゴンとネオン
クーが少女と出会った頃


「食事よーし、洗濯物よーし、風呂よーし!

後は、クーだけだな」


クーの部屋では、毎日恒例のアルゴンチェックが行われていた。


「あんた本当に、顔だけ残念な男ね〜」


その様子を見ながら、ネオンはため息をついた。


アルゴンの家事能力は、天才的だったが、その風貌は

…ヤクザ、しかも組長クラスだった。


「うるさい、顔だけ男」


対するネオンは確かに女には一生不自由はしないような、整った容姿の持ち主だった。


「あら、失礼ね。頭もいいわよ」


その言葉は、紛れもない事実だった。


「じゃあ、口を開けば残念男だな」


それもまた、紛れもない事実だった。


「…っ… クーちゃんはアタシの口調も性格も、否定しないもん」

「俺の顔もな」

「「…」」


二人はクーに拾われ


クーに救われた。


その為、二人は


「クー、…帰ってこないな」

「そーねー。早く帰ってくればいいのに」

「だな」

「よね」


二人は、クーにメロメロだった。


ただし、アルゴンもネオンもホモでは無いので


あくまでも、人として


である。

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