《MUMEI》
ねずみ小僧の銀狐
秋の三日月はボクに語りかける

どうやらおまえもおしまいのようだな…と

空き地の一つめの外灯が消えた…

輪郭のはっきりとした千切り大根の輪が浮かぶ…
冷たい色の三日月はまだ生きている髭面のボクを不思議そうに眺めている
よだれを垂らしながら…


生温い夜風を受けながら寝腫れた帽子の髭ヅラが 直角にハンドルを切りながら走り去っていく
次の夜もそして次の夜も…

二つめの外灯が消え 涼しい顔の三日月が重なり合う頃には ボクはまだ 生きているだろか…


三日月は 何も知らない

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