《MUMEI》

「──なっ、結構美味かったろっ?」





空になったお皿を重ねながら、こーちゃんが得意げに笑う。





「ミツカも食ってくれたから良かった」





私の頭をクシャクシャとしてから、カチャカチャと2枚のお皿を洗い始める。





それが終わると、今度はお昼ご飯の材料を選び始めた。





棚や冷蔵庫の扉を、開けては閉めてを繰り返す。





「さてっ、と──今日の昼飯は何がいーかな──」

「──こーちゃん」

「んー?」

「あのね‥‥‥」

「おう☆」

「一緒に‥行って欲しい場所があるんだ」

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