《MUMEI》

幼く返ったようだ。
一人が怖いなんて。




でも
本当はいつも一人じゃないからかもしれない。
身近に家族や友達や、知人がいるから安心していたんだ。


部屋に居ても寝る以外は殆ど誰かがいる。



あいつなんか、
面倒になると泊まり込んでくる。






  「………七生!」





  「二郎!」


「――――――――はあ!?」呼んだら本物の七生が出てきた。


「おせーんだよ!迷ったら壁の非常口から出ろって書いてあるだろ!」
本当だ。
ただのドアがある。足元にも出口の矢印が。

  「恥ずかしい奴!」
本当に。



本当に
   「安心した。」


「ははは!俺様がいなきゃダメな奴だな!」


  「っるせーよ。」
否定は出来ない。


背中を互いに小突き合った。

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