《MUMEI》 . 閉ざされたドアを眺めてから、わたしは視線を流すと、教卓に置かれたプリントの山を見つけた。 そこでようやく、担任が日直のわたしに、授業で使うプリントをまとめるようにと、仕事を押し付けたことを思い出す。 …………げっ!! ついてないや………。 がっくりと肩を落としてため息をひとつつくと、わたしはプリントの山を持ち上げ、のろのろと自分の席に運んだ。 放課後の教室には、もう誰もいなくて、 わたしは、ひとりで黙々とプリントを束ねていた。 ふと、窓の外を見ると、空がどんよりとした灰色の雲に覆われていた。雲行きが怪しい。雨でも降るのだろうか………。 早く、帰りたい。 そんなことを考えていると、 突然、教室のドアが開いた。 . 前へ |次へ |
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