《MUMEI》

「高2の時は控えだったんです。


同じポジションの先輩が引退するまで。


最初はそれでもいいって思ってたけど、


高2の時ここで…


黒田さんのプレー見て…


悔しいって思ったんす。


試合に出れないことを。


それから必死に練習して、


結局先輩がいる間にポジション奪うことはできなかったけど…


それでも必死に練習して、


最後の高総体では優勝したんす。」


「…マジ?」


「はい。」


「すげ〜な。」


「まぁ…


うちの地区は聖龍とか秀皇みたいな強豪はいませんでしたけどね。


それでも…」


「…」


「やっぱ優勝した時は嬉しかったです。」


「そっか…」


「だから黒田さん。」


「ん?」


「俺…


赤高応援してますから!!


絶対優勝してください!!」


「…うん。」


















そして僕は、


秀皇大学を後にした。


去り際に泉さんが、


『翔太の葬式行けなくて悪かったな。』


そう言ってくれたのが、


なんだか嬉しかった。


「ふぅ…」










絶対優勝しなくちゃな…

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