《MUMEI》
『あの日』の真相
.


悶々と考え込んでいると、



突然、蒲生くんが口を開いた。


「学校じゃ話しづらいし、この際、はっきりしとこうと思うんだけど……」


わたしはゆっくり顔をあげた。蒲生くんは、わたしの顔を見つめている。

彼は、そのままの姿勢で、「あのホテルの夜のこと」と、つづけた。


その話題に、わたしは少し、気が滅入る。


あの日のことは、今でも少し、辛かった。

わたしは、フイッと彼から目を逸らし、手元にあるコーヒーを見つめて、声を荒げて言った。


「もういいよ、わかってる。なにもなかったんでしょう!?」


もう嫌だ、この話……、と呻いて、両手で顔を覆う。

その間、蒲生くんの視線をずっと感じていた。

.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫