《MUMEI》

「みかん‥‥‥」

「こーちゃんの事大好きだからっ──」

「おま‥」

「やっと叶ったんだ‥願い事──」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「やっと伝えられたんだ、私の気持ち──やっと──」

「‥いーんだな‥? マジで‥」

「だって──大好きなんだもん‥」

「──みかん──‥」





こーちゃんが、また私を抱き締める。





「あんがとな‥」





その声は、優しくて‥あったかくて‥私を──幸せな気持ちにさせてくれた。





雨は‥いつの間にか止んで──晴れた空には‥





「ぁ‥‥‥」





虹が架かっていた。





「こーちゃん‥虹‥‥‥」

「──お前が起こしたんだぜ?」

「ぇ‥?」

「奇跡」

「私‥‥‥が‥?」





奇跡を‥起こした‥?

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