《MUMEI》
家の嫁にかぎって
私は、小学一年生の娘を持つ、主婦。
私は35歳。
主人は、私より、五つ年上の、サラリーマン。
田舎に一戸建ての小さな家を建て、私は、娘が学校に行っている間、小さな工場で、お菓子作りのパートに出ている。
多分、ごく、普通の主婦であろうと、思う。
多少、田舎では、派手な服装ではあるが、東京から、来たのだから仕方ない。

結婚して、小さな娘を連れ、主人の転勤で。

髪は茶髪、黒っぽい茶髪、ワンレンロング。
化粧は、若い子に負けじと、マスカラを、頑張り、
耳には、ピアス、軟骨にも一つ開けてある。
多少の短いスカートも自然に履く。
決して、昔、イケてた女では無かった。少し派手目が好きなだけ。
爪は、流行のジェルネイル、ネイルサロンに行けない時は、自ら、ネイルアートを乾いた爪に施す。
お菓子工場だから、気が引ける、しかし、手袋作業だから、そこのところは心配ない。
今どき珍しくない、主婦。
これも、多分珍しくないだろう。
私には彼がいる、主人以外に好きな人がいる。
家の嫁にかぎって、と、世の中の、夫達は思うだろう。
現実、私は、何人もの、そんな、主婦達と、遭遇してきた、偶然か必然か、身近に、何人も。

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