《MUMEI》

私の名前は、和子。平和の和、昭和の和。35歳。

主人は宏志。40歳。

娘、七歳のアイリ。


派遣の仕事で宏志の会社に出入りをしていて、出会い、恋愛結婚。すったもんだもありましたが、式まで、普通に執り行えました。

何も不自由な暮らしもしないでアイリが生まれ、転勤。
東京暮らしがながいせいで田舎にはなかなか馴染めず、未だに派手な感じで過ごしている。
でも、でも、何も不自由が無いのに、私の心はいつも、満たされていなかった。何故だか、私にもわからない。
新しい友達も沢山増え、ホームパティーもしたり、カラオケ行ったり、東京にショッピング行ったり。

なぜ?
なぜ?

主人も、優しい。
娘もかわいい。

でも、なぜ?なぜ?

いつも、虚しかった。  虚しくて悲しくて、意味もなく、風呂場で泣いていた。
誰にも気付かれないように。

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