《MUMEI》

「あれ、姉ちゃん今日はあれ付けてかないの?」

「あははっ‥やっぱ──うんっ、あれじゃん? 自分で告った方がいいかな〜的なさ♪」


「ふーん?」


「いやっ、マジだからっ。決めたからあたしっ」


洵にちゃんと告白するんだっ。


付き合えるかは分かんないけど‥。


でもっ、やるしかないっしょ!


「──おっはよ♪」


「おう──‥何か今日やけにテンション高いなぁお前──」


「えっへへ〜♪」


こうでもしないとヤバいんだよね──‥。


だってだって、生まれて初めて告んなきゃなんデスから‥。


「菜月〜、悪ぃ──教科書見してくんね?」


1限始まる頃になって、洵がいきなりそう言ってきた。


「忘れちまってさぁ」


「しょ‥しょうがないなぁ♪」


「サンキュ!」


「ぇ‥」


「ん?」


「ぁ‥あははっ、何でもないからっ。ねっ? うんっ」

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