《MUMEI》 「うん──」 夏休みになったら、蛍を見に行く約束をしていたんだけど──。 でも、まだ行っていなかった。 色々あって‥忘れてしまっていた。 「まだ間に合うかな‥」 「余裕だって」 最後のひと口を頬張って、こーちゃんがラジオを付けた。 こーちゃんは、いつもあんまりテレビを見ない。 代わりに、ラジオを聞く。 「──みかん」 「ぇ」 「聞いた事ね? この曲──」 そう訊かれて、私はラジオに耳を傾けた。 「───────」 ──知っている。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |