《MUMEI》

ニンマリと笑いながら。

昔からそうだ。
帝にはどうしても敵わない。

帝は背も高くて顔も人形みたいに整っている。

帝がアメリカに渡ったのが五年前。
その時俺達は小学校五年生だったが、クラスの女子達に帝はヤバイくらいモテていた。

そして今、目の前に現れた帝は、五年経ちカッコ良さというか美しさ(?)にも磨きがかかっていて、そこらの、いや有名なモデルや芸能人よりもソレっぽい。

お世辞やイヤミとかじゃなくて本当に。

我ながら、さっきよく分かったな。って思う。

今は俺しかここに居ないけど、もし別の人がここに居たとしても、大袈裟だとは言わないだろう。

「てゆうか帝さ、何で俺の居場所分かったんだよ。」
訝し気に帝を見る俺に、帝は笑って爆弾を投下した。

「おばさんに聞いた。俺が帰ってくるっておばさんには言っといたんだけど。」

帝はまた、ニンマリ笑う。

「はぁ!?母さん知ってたのかよ!?」

だったら何で言わないんだよ!?

「はははっ剣は面白いな。からかいがいがある。昔から変わらないなぁ、そうゆうトコ」

愉快そうに笑う帝を恨めしそうに見上げた。

「あれ?兄ちゃん?」

聞き慣れた声が聞こえて、声がした方を向く。

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