《MUMEI》

「良かったよね〜蜜花っ」





──嬉しそうな有里。





「コウさんもずーっと蜜花の事想ってたんだね──」

「──うん──」





でも‥全然気付かなかった。





こーちゃんが私を想っていたなんて、これっぽっちも気付かなかった。





「記憶喪失になったのだってさ、蜜花の事大好きで、大事に想ってたから──」

「私‥‥‥何も見てなかったんだね‥」

「これからだんだん分かるようになってくるって」

「───────」





なるかな。





こーちゃんの気持ち、分かるように──。

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