《MUMEI》

幼馴染みを振り向かせる、いい方法なんて知らない。


でも、告って伝わったみたいだからいい事にしよう。


「──おっ、今日の髪型可愛いじゃん」


「えっへへ〜♪」


張り切っちゃったんだよね〜。


「よしっ、行こっ♪」


今日は、久し振りのデートの日。


また一緒にケーキ食べ行くんだっ。


「♪〜」


「ん──何かいい事あったのか?」


「うんっ」


ありましたとも!


何てったって付き合っちゃってるんデスから♪


「──なぁ、今度の誕生日何欲しい?」


「もうもらった♪」


「? 何だよ」


「君の心だ♪」


「心‥?」


「そういう事♪」


──あれから、ちゃんと付き合う事になったあたし達。


まぁ、まだあんまり今までと変わらないけど──


「菜月〜っ、置いてくぞ〜?」


「ちょっ‥待ってよ洵〜!」


──あたし達は、この距離感が丁度いいのかも。


「洵〜! 待ってってばぁ!」

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