《MUMEI》

‥また怒られちゃいました‥。


「──‥」


菅原先生、恐いんですよね‥ちょっと。


新任で、まだ若いんですけど──結構真面目っていうか‥。


でも、優しくて、生徒の事色々考えてくれてて。


そんな先生に、憧れてるんです。


私も、いつか先生みたいになりたいなぁって──。


「鹿瀬ー!」


「‥!?」


「これ教室に落ちてたぞ?」


「ぇ‥」


あれ‥‥‥。


「──ん‥?」


「ぁ‥いえっ、ありがとうございますっ‥!」


さっき、一瞬──何だかちょっぴり変な感じがしたみたいなんですけど‥。


何ていうか、ときめいちゃったみたいな‥。


「サキ?」


「ぁ‥ごめんっ、何でもない!」


気のせい、ですかね?

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