《MUMEI》 「那加‥?」 「ほんとだから」 「訊いてみるだけならいいだろ?」 「いいってば」 その一点張りで、なかなか頷いてくれない。 「これ見てるからいいの。どうせ行くなら明るい時がいいし‥ちゃんと大丈夫になってからの方が楽しいと思うし」 小瓶を光に透かして見つめながら、言う。 この小瓶に入っている白い砂は、よく見ると星型をしていて、那加は星の砂って呼んでいる。 かなり、気に入っているみたいだ。 夏が来る度に、見つめているから。 「──ねぇ?」 「ハイッ‥何でしょうか‥」 前へ |次へ |
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