《MUMEI》 ──静かな河原。 星空が綺麗。 「──おー、いー感じだ」 「ぇっ──」 「おっとぉ、そのままそのままっ」 私にピントを合わせるこーちゃん。 「──よーし撮れたっ」 あんまり嬉しそうにするから、私まで笑ってしまった。 「私より蛍撮らなきゃ──」 「蛍も撮るけどお前も撮る☆」 「ぇ──」 恥かしいような、嬉しいような。 ──不思議な気持ち。 「でも飛んでねーなぁ、蛍──」 「うん──‥」 来るの‥遅かったのかな‥。 それとも──‥。 「心配すんなって♪」 こーちゃんがそう言ってくれて── 「──うん」 何だか、安心した。 前へ |次へ |
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