《MUMEI》

暫く歩いたけど、蛍は出てこなくて‥結局、私達は座っていた場所に戻って来た。





「座るか?」

「うん──」





草の上に、膝を抱えて座る。





こーちゃんが、すぐ隣りにいる。




──私を見ている。





「こーちゃん‥?」





訊いたけど──こーちゃんは答えない。





ただ、黙って──私の肩を抱いて自分の方に引き寄せた。





私は‥こーちゃんにピッタリくっついていた。





ドキドキするのに、何だか安心して‥私はゆっくりと目を閉じた。

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