《MUMEI》 ──蛍だ‥。 「‥こーちゃ‥」 「なっ、心配いらねかったろ?」 「──っ──」 どうして私‥嬉しい時まで涙が出そうになるんだろう──。 ──夢みたいだ。 笑いながら──泣きそうになる。 涙で景色が滲んで、蛍の光がぼやける。 「──ははっ、随分待たせてくれたよなぁ」 「今──何時‥?」 「っと──12時半」 腕時計を見て苦笑しながら、こーちゃんが言った。 「お前寝ちまってからさ、ずーっと星見てたんだけどな? そしたらいきなり──ふわ〜って感じに‥‥‥みかん?」 「っ──良かった──」 また、見れた。 2人で、蛍を──。 前へ |次へ |
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