《MUMEI》

──蛍だ‥。





「‥こーちゃ‥」

「なっ、心配いらねかったろ?」

「──っ──」





どうして私‥嬉しい時まで涙が出そうになるんだろう──。





──夢みたいだ。





笑いながら──泣きそうになる。





涙で景色が滲んで、蛍の光がぼやける。





「──ははっ、随分待たせてくれたよなぁ」

「今──何時‥?」

「っと──12時半」





腕時計を見て苦笑しながら、こーちゃんが言った。





「お前寝ちまってからさ、ずーっと星見てたんだけどな? そしたらいきなり──ふわ〜って感じに‥‥‥みかん?」

「っ──良かった──」





また、見れた。





2人で、蛍を──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫