《MUMEI》

「はぁー‥ふぅ──」





──深呼吸をする。




目を、つむる。





浮かんで来る、言葉。





鉛筆が、ページを滑り出す。





【夢なんかじゃ 全然なくて】

【でも やっぱり夢みたいで】

【君と2人 約束をした】

【また 来年もこの場所で】





やっぱり、君≠チて言葉を無意識に使ってしまう。





「──いーと思うぜ?」

「ゎ‥」

「やっぱいーなぁ、お前の書くヤツ──」

「ほんと‥?」

「何か──お前って感じでさ」

「私‥?」

「おうっ。だからな? 俺の写真にお前の詩くっつけたら、絶っっ対いーもんが出来るって」

「──いい物──」





私の詩が、こーちゃんの写真をもっとキラキラさせる事が出来るなら。





少しでも、君の役に立てるなら。





もっと、色々書いてみたい──。

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