《MUMEI》
最期の日
     =12月25日=

俺は何の解決策も見付けられぬまま、予告の日を迎えていた。

明日、俺が生きているという確率はどのくらいなんだろう?

この質問を朝から自分に何十回も投げ掛けていたが、すっかり日が暮れてしまった今となっては、だんだんと気持ちも落ち着いてきていた。




X'masは、家族で過ごす日。


それは、月代家では決まり事のようなかんじだったため、外出することはなかった。

只今、21時56分。
あと約2時間で今日が終わる。それまで何もなければ、俺は生き残ることができたということになるだろう。

このままどこにも行かず、0時まで家族と居ればいい。その方が助かる確率は数倍上がるはずだから。



あと2時間待てば………。






「!?」






何故だろう?
耳鳴りがする。頭が痛い…。

意識が……遠退いてい…く。




俺の意識はそこでぷつんと途切れた













―――…

――‥





「……あ…れ?」



俺は、気付くと家の近くの公園に一人で立っていた。


家を出た記憶がない。

耳鳴りと頭痛がして……
それから俺は、どうした…?


まだ鉛のように重い頭で必死に記憶を辿っているとき、ふいに声をかけられた。




「……月代 黎夜君」

「!!」




誰もいなかったはずの
俺の隣には………











柊が微笑みを浮かべて立っていた。

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