《MUMEI》 『──ほらっ、早く早くっ』 ずっとアザラシを見ていた那加が、今度は屋外に俺を連れ出した。 『早くってばぁ』 何で、こんなに焦っているんだろう──そう思った。 けど、着いてみて分かった。 『イルカ──』 イルカのショーが始まる時間だったんだ。 『ほらぁ、日向も座って』 『ハイ‥』 開始ギリギリだったけど、運良く隣り同士に座る事が出来た。 『あっ! あのイルカ白いよ!?』 那加が、3頭いる内の1頭を指差した。 確かに、そのイルカだけ白い色だった。 前へ |次へ |
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