《MUMEI》

「‥!?」





‥女の人だった。




逆光で、黒々とした影みたいに見える。





「っ‥」





‥叔母さんだ‥。





‥どうしよう。





気付かれちゃったんだ‥。




「‥誰っすか。ここ俺らの部屋っすよ‥勝手に入って来ないで下さい」

「あんたが──コウ」

「‥誰なんすか」

「蜜花ちゃんの──叔母だけど」

「叔母‥さん‥?」

「どうしてこの子を隠してたの」

「隠してた訳じゃないっすよ、俺はコイツを育て‥」

「ちゃんと答えて」

「叔母さんっ‥こーちゃんは悪い人じゃないよっ」

「蜜花ちゃん、帰ろう」

「!‥」





やだ‥。




放して‥。





「放してよっ‥!!」





連れて行かないでよ‥。





こーちゃんと‥離れ離れにしないでよ‥。





「‥待って下さい」





──声。





「こー‥ちゃん‥?」

「コイツは俺が守ります」

「あんたみたいな不良に‥預けられる訳ないでしょ?」

「──コイツは!」

「‥っ‥?」

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