《MUMEI》

ええと‥その後は確か、ペンギンの所へ行ったんだ。





那加は、そこでも釘付けになっていた。





──那加は本当に、可愛いものに目がないらしい。





そんな那加が、可愛いんだよな──。





『──ほらっ、あの子似てない?』

『誰に‥?』

『日向に♪』

『‥ぇ‥』

『でしょっ?』

『そう、か‥?』





俺は、ポカンとするばかりだった。





今度はペンギンか‥って。





でも、嬉しかったんだ。





──那加が嬉しそうだったからなんだろうな。





本当に──俺の気分は那加次第なんだ。

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