《MUMEI》 ‥扉が閉まる音。 叔母さんの足音が遠くなっていくのを聞きながら‥私はへたりこんでしまった。 「──っ‥」 力が‥抜けた。 ‥安心して‥。 「──みかん」 「‥っ‥」 「ごめんな‥恐い思いさせちまって‥」 そう言われて‥私は首を横に振った。 ──違う──そう伝えたくて。 「ありがと‥‥‥こーちゃん‥」 「前にも言ったろ? お前は俺の妹だ、って」 私の前に回って来て、こーちゃんが頭を撫でてくれた。 「ずっと一緒だからな?」 「っ‥うん‥」 ──ずっと。 ずっと一緒。 ずっと、ずっと──。 前へ |次へ |
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