《MUMEI》
二人の本性
「あの…よろしいですか?」


説教が終わったらしく、真白さんが恐る恐る俺達に話しかけてきた。


「「…はい」」


志貴は未だに何かが気になるようだが、俺達は揃って頷いた。


「恭…どうしても欲しいみたいなんです。それ。

…ね?」


『それ』


真白さんは、衣装を指差し、恭を見た。


(…あれ?)


頷く恭に


その、不自然な動きに


俺は違和感を覚え、志貴を見た。


「…やっぱりね」


志貴はその様子に、頷いていた。


「…あの?」

「本当に衣装が欲しいのは、コスプレさせる趣味があるのは

あなたでしょ?」

「そ、そんな…」

「…エスパーだ…エスパーがいる」

「バカ恭!」

「へ?」

「口に出してる!」

「えぇ!?」


(さすが志貴だな)


図星をさされた二人はかなり動揺していた。


「とにかく!衣装下さい!」

「くれ」

「「却下」」


俺と志貴は即答した。


「…っ、恭!」

「任せて!」


恭が強引に志貴から衣装を奪おうとしたが


「ナイスパス!」


志貴が投げた衣装は既に俺の腕の中だった。

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