《MUMEI》
ワンパターン
恭は、見た目通りケンカ慣れしているらしかった。


しかし


動きがワンパターンで、速さに慣れてしまえば簡単にかわす事ができた。


「何で当たらいんだよ〜!」


焦りからか、恭の口調は子供のようなものになっていた。


(当たったら痛いだろうが)


会話する余裕の無かった俺は、ひたすら無言で避け続けた。


「この、この、この!」


(しかし、本当にワンパターンだな)


右手パンチ・左手パンチ・右足キック


「この!」


アッパー


「このぉ!」


回し蹴り


「…とりゃあ!」


頭突き


「…」


全てかわすと、一息ついて


「この、この、この!」


元に戻る。


これを、四ターン続けた時


「そこまでにして下さい、総長。…真白嬢も」


第三者の声が響いた。


(誰だ?)


「隙あり!」

「祐也!」


バキッ!





「悪い、つい…」


避ける余裕の無かった俺は、その時初めて反撃し


恭を、蹴り飛ばしていた。


(聞こえてないな)


恭は既に気絶していた。


「丁度いいから、このまま交渉を始めましょう」


恭はそのまま放置された。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫