《MUMEI》

成長‥しているのかな。





私──近付けているのかな。





大人に──。





「──みかん?」

「もっと──」

「ん‥」

「もっと大人になりたいな──」




今よりも、もっと。





君と、同じ位。





「焦んなって♪」

「ぇ‥」

「楽しんどけよ、今の内にさ」

「今の内に‥?」

「お前の気持ち、早く大人になりてーって気持ち、すんげー分かる。でもな? 今しか出来ねー事だってたっくさんあんだ──大人になっちまったらもう出来ねーよーな事とか、さ」

「───────」

「ある意味──ほっといたってみんないつかは大人になっちまう──たぶん、知らねー内にな。だから、今って結構大事なんじゃねーかな」

「大事‥‥‥」

「後になって、『ぁ〜、やっぱあんときああしときゃ良かったな──』なんて思うのやだろ?」

「うん‥」

「俺、思うんだけどな?」





こーちゃんが、切り出した。





「お前の今の時期って、ある意味一番キラキラしてんじゃねーかな」

「キラキラ‥?」

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