《MUMEI》

「──ねぇっ、見てこれ超キレーっ」

「何かさ、色々噂あったりするけど──コウさんって結構いい人っぽいよね──」

「何かぁ、中2で女の子拾ったらしいよ? その女の子──」

「あ、知ってる! その子この詩書いてる子でしょっ?」

「そーそーっ」

「確かさ、うちらと同い年じゃんっ?」

「ぁっ、だよねっ」

「てかさ? ミツカちゃんってコウさんの事──」

「ぇっ、マジっ?」

「この詩読んでるとさぁ、何かラブ感じない?」

「うーん、そーいえば何となく──」

「実は付き合ってたりしてっ」

「──楽しそうね──。あら、それ──」

「超人気だったんですよ〜? もう売り切れ寸前って感じで」

「ふふ、晃君が聞いたらビックリするわね──」

「?」

「じゃ、また来月楽しみにしてて」

「ぁ、はい──」

「──ね、今の誰?」

「知らない──。でも何か‥前にもどっかで見た事あるかも‥」

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