《MUMEI》

城南高校が為す術なく北農高校にやられているのを横目に、


赤高は体育館の端でランニングを始める。


30分ゲームの試合。


当然出番も早い。


ユニフォームすら着ず、


ビブスを着用して挑むこの大会。


市民体の時のような張り詰めた緊張感はなかった。


「暑い…」


「朝なのにこの暑さ…」


「午後どうなんだよ…」


「ホラ!!
走る走る!!」


この日も暑く、


室内の温度も当然高い。


光を避ける為にギャラリーのカーテンは閉め、


窓は閉めたまま。


「クロさん…


今日調子悪いす…


20分も走ってないのにこんな疲れるなんて…


試合前に疲れちゃいますよ…


そろそろ終わりません?」


「終わりません。」


「けちぃ〜!!」


「いいから走れ!!」


「は〜い…」

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