《MUMEI》

「ビー!!」


試合終了のブザーが鳴り響く。


(やっぱ北農か…)


「よし!!
コート入るよ!!」


第二試合は赤高。


試合前のアップの時間は10分。


内5分はミーティング等に使う。


時間を無駄にはできなかった。


「村木は向こうのシュート見といて。


5分で癖盗め。


できるよね?」


「…はい。」


ベンチに村木を座らせ、


1年生が代理のキーパーとして入る。


クロは指示を出しながら、


全員の調子を確かめていた。


(全体的に動きが悪いな。


特に1年生。


暑さを言い訳にして走れないとか吐かす沖もダメだ。


…まぁいいか。


今は動きが悪くても、


10分後にはキレ始めるだろ。)


クロはこの試合、


選手たちに魔法をかけていた。


それは普段とは違う大会会場であるが故に起こったマイナス要素を拭き払う魔法。


選手たちがこの魔法に気付くのは、


試合が始まってからになるが…

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