《MUMEI》

でも私、もう授業どころじゃなくなってました。


ますます、先生一色になってるんです。


──それに。


だんだん、見ているだけじゃ──話すだけじゃ物足りなくなってきて。


先生に、気付いてもらいたい。


そう思うようになってきたんです。


先生は私の事──どう思ってるんだろ‥?


そんな事ばっかり考えてるんです。


「咲さ、告ったりしないの?」


「こ‥告っ‥!?」


無理‥!


そんなの無理!!


「だって先生だよ‥?」


「別に告る位良くない?」


「そんな軽いものじゃ‥」


「来年卒業だよ? 早い方がいいんじゃない?」


「でも私‥」


やっぱり何ていうか‥。


「告っちゃえばこっちのもんだって。ねっ?」


「そういうものかなぁ‥‥‥」

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